No.14, No.13, No.12, No.11, No.10, No.9, No.8[7件]
初めましては、いつまでも記憶に残る程印象的だった。
日常茶飯事だろう、スペルの確認をされた時、うんざりと義務とが織りなす感情を瞳に浮かべ、それでも鄭重な言葉で、Vじゃない、PHだと返したその横顔が、忘れられなかった。
聞こえてきた名前は、はっきり言って有り触れた名前だった。
だけど、その名前が脳味噌に刻まれたある日、自分にとって特別なものに変化をした。
自分だけが特別だと教えてくれるその名前。
その響きが好きで、用事があろうが無かろうが、ついつい気付けば口に出してしまう。
ゲーム中やチームメイトらの前では絶対に呼ばないように気を付けているが、ロッカールームや廊下で奇跡的に二人きりになった時、つい口から零れ落ちてしまう。
気を付けろと言いたげにハーフリムのフレーム眼鏡の下から睨まれるが、その目尻が赤く染まっている為、満更でもないのだと分かっていた。
だから、誰に遠慮する必要も無い家に帰ったときは、ゴールデンレトリーバーのマリオ以上にその名を呼んでしまうのだ。
「スティ」と。
今、ものの試しにと呼んでみると、アイランドキッチンのコーナーで背の高いスツールに腰を下ろしながらタブレットを見ていた顔があがり、不思議そうに目を瞬かせる。
「ロイ?」
どうしたと問いかけているのだと分かる、穏やかなのんびりとした声。
なんでもないと笑って立ち上がると、足下に寝そべっていたマリオが身体を起こす。
「……何もないのなら呼ぶな」
そう、憎らしげな言葉を吐き出す口に笑いかけ、スツールの横に立ってキッチンに肘をついて身を乗り出すと、趣味のパズルをタブレット上で行っている事に気付き、本当に今リラックスをしているのだと気付く。
近寄りがたいとチームメイトに評されることもある、綺麗な顔をした男が唯一の趣味と公言しているパズル。
その時間の邪魔をしたくないと思いつつ、趣味の時間にも己の存在を忘れないでくれと祈りながら、そっと顔を寄せる。
何だも止めろも無い、代わりに、子どものような小さな吐息がひとつ、間に零れ落ちる。
その息を掌で受け止めた後、小さく開く唇にキスをする。
「……早くプレーオフが終わってくれないかな」
そっと離れた後に聞こえてきた言葉に首を傾げると、文字通り腑抜けになってしまいそうな穏やかな笑みを浮かべ、ヒゲに覆われている頬を撫でられる。
「くすぐったい?」
「……俺もヒゲを伸ばそうか?」
そうすればこの気持ちが理解出来るんじゃ無いか。
世紀の発見のように笑う顔が年よりも幼く見え、思わず背中から抱きしめると、腕を撫でられる。
「……R.」
恋人からの最短の言葉での呼びかけに頷き、後ろから頬にキスをすると、胸板に寄り掛かる様に背後に倒れ込んできたため、そっと抱き留める。
「スティはヒゲがない方が好きだな」
そう呼ぶ事を認めてくれたように、ヒゲを伸ばさないことも受け入れてくれ。
囁きの後にもう一度キスをすると、仕方がないと言いたげな溜息が落ちるが、納得した証の手が後ろ手に伸ばされて頭を撫でられるのだった。
そんな自分達を、身体を起こしたものの、遊び相手になってくれる訳でも、散歩に連れて行ってくれる訳でも無いと理解したゴールデンレトリーバーのマリオが、退屈そうに欠伸をし、暖炉前の定位置にのそのそと歩いて行くのだった。
#創作MM小説
#ロイとスティーヴン
日常茶飯事だろう、スペルの確認をされた時、うんざりと義務とが織りなす感情を瞳に浮かべ、それでも鄭重な言葉で、Vじゃない、PHだと返したその横顔が、忘れられなかった。
聞こえてきた名前は、はっきり言って有り触れた名前だった。
だけど、その名前が脳味噌に刻まれたある日、自分にとって特別なものに変化をした。
自分だけが特別だと教えてくれるその名前。
その響きが好きで、用事があろうが無かろうが、ついつい気付けば口に出してしまう。
ゲーム中やチームメイトらの前では絶対に呼ばないように気を付けているが、ロッカールームや廊下で奇跡的に二人きりになった時、つい口から零れ落ちてしまう。
気を付けろと言いたげにハーフリムのフレーム眼鏡の下から睨まれるが、その目尻が赤く染まっている為、満更でもないのだと分かっていた。
だから、誰に遠慮する必要も無い家に帰ったときは、ゴールデンレトリーバーのマリオ以上にその名を呼んでしまうのだ。
「スティ」と。
今、ものの試しにと呼んでみると、アイランドキッチンのコーナーで背の高いスツールに腰を下ろしながらタブレットを見ていた顔があがり、不思議そうに目を瞬かせる。
「ロイ?」
どうしたと問いかけているのだと分かる、穏やかなのんびりとした声。
なんでもないと笑って立ち上がると、足下に寝そべっていたマリオが身体を起こす。
「……何もないのなら呼ぶな」
そう、憎らしげな言葉を吐き出す口に笑いかけ、スツールの横に立ってキッチンに肘をついて身を乗り出すと、趣味のパズルをタブレット上で行っている事に気付き、本当に今リラックスをしているのだと気付く。
近寄りがたいとチームメイトに評されることもある、綺麗な顔をした男が唯一の趣味と公言しているパズル。
その時間の邪魔をしたくないと思いつつ、趣味の時間にも己の存在を忘れないでくれと祈りながら、そっと顔を寄せる。
何だも止めろも無い、代わりに、子どものような小さな吐息がひとつ、間に零れ落ちる。
その息を掌で受け止めた後、小さく開く唇にキスをする。
「……早くプレーオフが終わってくれないかな」
そっと離れた後に聞こえてきた言葉に首を傾げると、文字通り腑抜けになってしまいそうな穏やかな笑みを浮かべ、ヒゲに覆われている頬を撫でられる。
「くすぐったい?」
「……俺もヒゲを伸ばそうか?」
そうすればこの気持ちが理解出来るんじゃ無いか。
世紀の発見のように笑う顔が年よりも幼く見え、思わず背中から抱きしめると、腕を撫でられる。
「……R.」
恋人からの最短の言葉での呼びかけに頷き、後ろから頬にキスをすると、胸板に寄り掛かる様に背後に倒れ込んできたため、そっと抱き留める。
「スティはヒゲがない方が好きだな」
そう呼ぶ事を認めてくれたように、ヒゲを伸ばさないことも受け入れてくれ。
囁きの後にもう一度キスをすると、仕方がないと言いたげな溜息が落ちるが、納得した証の手が後ろ手に伸ばされて頭を撫でられるのだった。
そんな自分達を、身体を起こしたものの、遊び相手になってくれる訳でも、散歩に連れて行ってくれる訳でも無いと理解したゴールデンレトリーバーのマリオが、退屈そうに欠伸をし、暖炉前の定位置にのそのそと歩いて行くのだった。
#創作MM小説
#ロイとスティーヴン
↓の選手×アナリストですが、名前が決まったよ(笑)
選手はロイくん。
アナリストはスティーブン。
見た目や性格の深掘りはこれからだけど、書く事になるのかな。書けるのかという不安はあれども、まあ、何とかなるでしょうというお気楽さも(笑)
さて、やりますか。
選手はロイくん。
アナリストはスティーブン。
見た目や性格の深掘りはこれからだけど、書く事になるのかな。書けるのかという不安はあれども、まあ、何とかなるでしょうというお気楽さも(笑)
さて、やりますか。
バスルームから、小さな悲鳴じみた声が聞こえた気がし、タブレットをソファに置いた彼は、バスルームのドアから顔を出す。
顎を押さえながら、やってしまったと肩を落とす大きな背中と、酷く落ち込んでいる顔が鏡越しに見える。
「どうした?」
「……ヒゲ、剃ってしまった」
何だ、そんな事かと言いかけた口を閉ざし、落ちている肩を上げるように、剃り落とされてしまったヒゲの跡にキスをする。
「今日のゲームはこれで勝てるぞ」
「……勝てる,か?」
「お前が昨日のようにやるべきことをすれば、な」
「……やるか」
「それでいい」
そうすれば、きっと栄光の賜杯はお前達の手に飛び込んでくる。
その言葉に落ち込んでいた顔が上がり、一目で惚れた男の顔が鏡に映し出され、無意識に息を呑んでしまう。
「女神のキスだな」
「……誰が女神だ」
バカなことを言ってないで準備をしろ。
その言葉を残してバスルームを出た彼は、放り出したタブレットで再生されている動画が、地元テレビ局のリポーターがインタビューしているものだと気付くが、そこで自信ありげな顔で話す言葉と同じものを背後から投げかけられ、振り返ること無くサムズアップを返すのだった。
#選手×アナリスト
#創作M/M Romance小説
顎を押さえながら、やってしまったと肩を落とす大きな背中と、酷く落ち込んでいる顔が鏡越しに見える。
「どうした?」
「……ヒゲ、剃ってしまった」
何だ、そんな事かと言いかけた口を閉ざし、落ちている肩を上げるように、剃り落とされてしまったヒゲの跡にキスをする。
「今日のゲームはこれで勝てるぞ」
「……勝てる,か?」
「お前が昨日のようにやるべきことをすれば、な」
「……やるか」
「それでいい」
そうすれば、きっと栄光の賜杯はお前達の手に飛び込んでくる。
その言葉に落ち込んでいた顔が上がり、一目で惚れた男の顔が鏡に映し出され、無意識に息を呑んでしまう。
「女神のキスだな」
「……誰が女神だ」
バカなことを言ってないで準備をしろ。
その言葉を残してバスルームを出た彼は、放り出したタブレットで再生されている動画が、地元テレビ局のリポーターがインタビューしているものだと気付くが、そこで自信ありげな顔で話す言葉と同じものを背後から投げかけられ、振り返ること無くサムズアップを返すのだった。
#選手×アナリスト
#創作M/M Romance小説
多分スマホからアクセスしてくださって、入口が見つからなかったとコメントを下さった方へ
ご不便をおかけして申し訳ありません😰
今、TOPの入口を左から上へと変更いたしました。
スマホでは少しデザインが崩れてしまうようですが、なるべく早く対処し、集中したり落ち着いて読めるようにしたいと思います。
一日の終わりの癒やしの一助になれば幸いです。
#コメント返信
ご不便をおかけして申し訳ありません😰
今、TOPの入口を左から上へと変更いたしました。
スマホでは少しデザインが崩れてしまうようですが、なるべく早く対処し、集中したり落ち着いて読めるようにしたいと思います。
一日の終わりの癒やしの一助になれば幸いです。
#コメント返信
コメント返信だよー(」゚Д゚)」オ────イ!!
コメント、ありがとうございます。本当に嬉しいです。
返信いくよー(ノ^^)ノ
はい。今年は自宅で家族揃って過ごせたようです。新年に向かってジャンプ! したかったようです(笑)
夜中のチーズフォンデュやベルリーナーは、リアムにとっては幼い頃の大切な思い出なんだと思いますが、真夜中に砂糖をまぶしたジャム入りのドーナツ……(遠い目)
何はともあれ、二人と二匹で年を跨げたようで安心です(笑)
#コメント返信
コメント、ありがとうございます。本当に嬉しいです。
返信いくよー(ノ^^)ノ
はい。今年は自宅で家族揃って過ごせたようです。新年に向かってジャンプ! したかったようです(笑)
夜中のチーズフォンデュやベルリーナーは、リアムにとっては幼い頃の大切な思い出なんだと思いますが、真夜中に砂糖をまぶしたジャム入りのドーナツ……(遠い目)
何はともあれ、二人と二匹で年を跨げたようで安心です(笑)
#コメント返信





