いつものように絶品だったが、リアムの様子がいつもと違いすぎて味の良し悪しも判別できなかったディナーを終え、さあ、あいつの胸の中にある思いをいつ吐き出させようかとフラットホワイトを丸みのある濃紺のマグカップに淹れながら思案していた慶一朗は、小さな公爵閣下が食後のスキンシップを求めてリアムに合図を送っている声を聞き、それにも反応をしないことから今まで己が経験したことが無い何かがあの鍛えられている胸の内にあるのだと改めて気付き、両手にカップを持ってリアムの横に座る。
「ほら」
「……あ、ああ、ダンケ、ケイさん」
「ああ」
差し出されるカップに気付くのも遥かに遅く、ひとつ息を吐いて己のカップをテーブルに置いた慶一朗は、リアムが遊んでくれないと不満を訴えたいデュークが己の足に前脚を乗せて寂しそうな声を上げたため、前脚を掴んで抱き上げる。
「リアム、デュークが遊んでくれないって文句を言ってるぞ」
いつもなら遊んでくれるのになぁとデュークに笑いかけながら慶一朗が呟いた言葉にリアムがハッと息をのみ、ああ、ごめんと頭に手を当てるが、その顔に瞬間的に苛立ちを感じて目に力を込めると、何かを感じ取ったらしいデュークが嬉しそうに振っていた尻尾の動きを止めて小首を傾げながら慶一朗を見下ろす。
「何かあったのか?」
どう問いかければリアムの負担にならないように、それでも胸の中で蟠っている思いを伝えてくれるだろうかと考えていたが、よくよく考えれば己はそのような配慮やまどろっこしい手法を取ったことが無いと気付き、単刀直入に問いかけた慶一朗の耳に流れ込んできたのはリアムらしからぬ煮え切らない声だった。
「……その、どう言えば良いのか……」
分からないと続ける声を半目で聞きながらマグカップを口に付けた慶一朗だったが、半分残して飲んだそれをテーブルに戻し、再度デュークを抱き上げて己の腿に後ろ足を突いてどうしたのと問いかけるように顎を舐める公爵に目を細める。
以前、一人抱えた悩みを冬の夜中に水を浴びるという愚行で流し去ろうとした時の事を思えば一歩前進したようなその言葉だったが、あの時から何があってもパートナーとして傍にいることにした慶一朗にとってはまだまだ物足りないものだった。
だからその重い口を開かせるためにあの時とは違う小さな公爵閣下の力を借りようと決め、鼻先にキスをすると止まっていたデュークの尻尾が再度左右に揺れ出す。
「なあ、デューク、人にはどれほど拙くても辿々しくてもいいから思っている事を伝えてくれと言うくせに、自分はそれをしない王子様が何処かにいるそうだ」
どう思うと、まるで己の言葉の全てを理解している前提で子犬に語りかける慶一朗の横でいつもに比べれば小さく感じる巨体がビクリと揺れ、それに悲しさを感じつつも顔の高さに掲げた子犬の鼻先に己の鼻でキスをするように顔を寄せると、子犬が鼻や頬をペロペロと舐め始める。
「くすぐったいぞ、デューク」
「……」
「その王子様はいつも話をするときにソファの前に座り込んで人の顔を見上げてくる癖に、自分の時にはそれも忘れているようだ」
ああ、そうそう、忘れていると言えばこれも忘れていると、己を凝視する視線を横顔に感じつつにやりと口の端を持ち上げた慶一朗が何が楽しいのかと問いかけたくなるような歌い出しそうな声で言葉を続ける。
「その王子様は何があっても傍にいるという約束も、その誓いを込めたリングの存在も忘れているようだな」
それとも、今己の胸の中にある思いを口にすると同じ誓いが籠もっている俺のリングも、お前のその首輪と首輪に着いている俺たちの親友の証であるネームプレートも外さなければならないと思っているのかなと、何かが楽しいと思っているのかくすくすと笑いながらデュークをリアムに向き合うように抱き直した慶一朗が身体ごと己の伴侶に向き直る。
「なあ、デューク、物忘れの激しい王子様に自分が言ったことを忘れた罰を与えてやれ」
髭に覆われている顎や頬を舐めまくってやれと目を細めた慶一朗がデュークの顔の横から覗かせ親友を嗾けるようににやりと笑みを浮かべると、その意をしっかりと酌み取ったらしい子犬がワンと一声吠えて今度はリアムの腿に後ろ足で立ち上がり、慶一朗の言葉通りに顎の髭や頬を盛大に舐め始める。
「こら、デューク、くすぐったい!」
止めろとリアムが手を挙げるが今のデュークは慶一朗の言葉に従っていることを教えるようにリアムの顔中を舐め回し、分かったから止めてくれといつものリアムに近付いた声が上がるまでそれが楽しいと教えるように尻尾を左右に激しく振りながら舐め続け、ついにリアムがもう止めてくれと笑いながらデュークを抱きかかえ、そのまま慶一朗の足の上に上体を伏せるように横臥してしまう。
己の足の上に転がってきた子犬をリアムの手から抱き取ってソファの下に下ろした慶一朗は、その手でリアムが己の目を隠すように宛がっている逞しい腕を持ち上げて姿を見せた瞼にそっとキスをする。
「懲りたか、王子様」
「……うん、もう懲りた」
あなたに静かに諭されることも怒られることも恐ろしいが、デュークの舐め回し攻撃も結構堪えるものだなと肩を揺らすリアムを見下ろし、これに懲りたらその胸にあるものを吐き出してしまえと今度は鼻の頭にキスをすると、ヘイゼルの双眸がゆっくりと姿を見せる。
「ケイさん」
「何だ?」
「……せっかくコーヒーを淹れてくれたけど……」
良かったらエッグノッグを作ってくれないかと、己からリアムにするワガママを思えば遙かに小さくて可愛いそれに目を一度瞬かせた慶一朗は、そんな事で良いのかと問いかけそうになる寸前にある事に気付き、ああとだけ返して立ち上がるから起きてくれとの言葉を代わりに伝えてソファから立ち上がる。
「用意している間、公爵閣下のご機嫌取りを頼む」
今まで楽しくお前の顔を舐めていたのを制止させられて機嫌を損ねているだろうと、ソファの下で不満そうに見上げてくる子犬の視線に気付いたらしいリアムが顔を向けると、己を見た事からデュークが声に出して不満を訴え始める。
「ああ、分かった分かった」
だからそう怒るなと宥めるように告げたリアムが子犬を抱き上げるのを確かめた後、キッチンに戻って必要なものを取り出した慶一朗だったが、エッグノッグを希望される状況がどんな時であるのかを思い出し、己の伴侶の胸の内で蟠っている思いを全て吐き出してくれ、早くいつものリアムに戻ってくれと願いながら可愛いワガママのエッグノックを手早く作るのだった。
食後のフラットホワイトではなく今日はエッグノッグの湯気を顎髭で受け止めるリアムを、今夜は慶一朗が横から支えるように座りながらデュークを足の上に載せて腹をくすぐったり耳を撫でたりとスキンシップを取りながら隣から流れてくるだろう言葉を待っていた。
慶一朗の期待する言葉は安堵の溜息が零れ落ちた後に、どう説明すれば良いか分からなかったという謝罪の言葉として流れ出す。
「患者に説明するんじゃ無いんだ、纏まって無くても問題ない」
「うん……今日、クリニックにワクチン接種で一人の患者が来た」
「ワクチン?」
これから夏に向かうシドニーで冬に流行する感染症のワクチン接種が比較的珍しいなとリアムが感じた疑問を慶一朗が口に出し、俺もそれを思ったと頷く顔を見つめると、近いうちにドイツに行くことになると言われて納得したことを教えられてドイツと呟きその時のリアムと同じ思考の道を辿ったことを教えるように今あちらで特別注意を払う感染症はあっただろうかと呟くが、過去に酷い目にあった事があり念のためだとも教えられてそうかと頷く。
半年前ならば季節性の感染症対策は皆が行うために珍しくも何ともないが今の時期にそれは気になると顎に手を当てる慶一朗だったが、リアムがマグカップをテーブルに置いてこちらに寄り掛かる様に身体を傾げたことに気付き、そっと手を添えてそれを支えると安堵の息が零れ落ちる。
「その彼が、クリニックに手紙を忘れて帰ったとソフィーらに教えられた」
「手紙」
「ああ……書いた人は力が入らないような筆跡で、誰かに対する謝罪や贖罪の言葉に見えた」
注射や採血などを行う部屋に忘れられていた手紙は誰か親しい人に宛てられたものだったが、文中に固有名詞がなくて誰から誰へのものかも判別できなかったからヘンリーが彼に連絡をする事になったと伝えたリアムの髪を片手で撫で、片手でデュークの頭をワシワシと撫でていた慶一朗は、その手紙が何かお前の不可解な落ち込みに関係するのかと呟くと、己の手の下でリアムの身体が再度ピクリと揺れ、その揺れは何処から来るものだと問いかけたいのをグッと堪えると、自信は無いが手紙の文字に見覚えがあったと小さく教えられてリアムの顔を覗き込むように向き直る。
「……ユーリを覚えてるか、ケイさん」
ヘイゼルの双眸に苦悩を浮かべながら呟いた名前は慶一朗も何度か耳にしたものだったが、具体的にどのような人だったのかを聞いていないことから名前だけは覚えていると返すと、あまり思い出したくない記憶だったから自分でも忘れるようにしていたと苦く笑われ、お前にはそのような笑いは相応しくないと伝える代わりにリアムの手を取って分厚く温かい掌にそっとキスをする。
「じいちゃんの弟の孫だったか?」
「うん、そう。だから遠い親戚だな」
その彼がこの国で一人暮らしをしていた事から当時健在だった祖父や母にとっての従兄弟達と相談をし、彼に俺を預けることになったと眉を寄せてきつく目を閉じるリアムの様子から、己が思い出したくもない過去を連想させる日本に関わるものを拒絶しているときの様子とそっくりだと気付きリアムの額にキスをする。
「……ユーリは確かに俺の保護者として責任を果たしてくれた。でもそれは最低限のものだった」
初めて出会って付き合いだしてから5年以上は経過しているが、リアムの過去を具体的に聞いたことが無いと初めて気付いた慶一朗の脳裏に浮かんでいるのは大阪の家の一室で一人生きる屍のようにただ座っているだけの己の姿だった。
今でははっきりとネグレクトだと理解出来る両親や祖父母による己の過去だが、どうやらリアムも唯一頼りになる保護者からネグレクトギリギリの扱いを受けているようだった。
「金銭的な搾取があったのか?」
同じではないが似通った痛みを抱えながら、こんな時にどのような言葉を掛ければ己の伴侶の気持ちが軽くなるのかが分からない忸怩たる思いを抱えつつ問いかけるとリアムの頭が考え込むような角度になった後、少しはあったと言いにくそうに返される。
「俺も子どもだったから金の管理は出来なかった」
「そうか」
「金の管理が出来る頃にはユーリも家を空ける事が多くなって……」
ドクターの試験に受かり就職先も決まったその日、もう自由にしてくれとメモを残して家を出て以来一度も連絡を取ったことなどない男の筆跡と良く似ていたんだと暗く笑われて慶一朗が顔を覗き込む。
「一度も?」
「ああ。俺たちが住んでいたアパートの住人を見かけたりすることはあったけど、俺もあまり思い出したくなかったからこちらからコンタクトを取ることも無かった」
何でも無いことのように笑う顔が慶一朗の胸を締め付け、そんな顔で笑うなと付き合い出す前に何度か伝えた事のある、世界中の罪を背負ったような顔をするなと伝えた事を思い出し、そういえば同じ言葉をリアムに言われたことも思い出す。
そして不意に気付いたのは、自分達は考え方や容貌などは正反対と言える程違いがあるが、根底にあるものはこれほどまでに似通っていたという思いだった。
こんなにも似ているから一緒にいても居心地が良いと思えたのだろうかと数年前の己に問いかけたくなったが、今まず向き合うべきはどうすることも出来ない過去を生きてきた己ではなく、いつもの笑顔を取り戻して欲しい今を一緒に生きているリアムだった。
だから気合いを入れるように小さく息を吸った慶一朗は、リアムの名を呼んで視線を合わせるように距離を取らせると、両手を小さく広げて笑みを浮かべ、呆然と見つめてくるハニーブロンドを胸に抱え込むように抱きしめる。
「ケイさん……?」
「……そんな顔で笑うな」
「……うん」
「お前がそんな顔で笑えば……デュークに命令してお前の顔がいつもの笑顔になるまで舐めさせるからな」
さっきと同じように今どんな言葉を伝えれば弱々しい力で背中を抱きしめるリアムにいつものような快活な笑顔が戻るのだろうか、それを察することの出来ない情けない己を内心殴りつけながらこめかみや髪に何度もキスをすると、もう罰ゲームを受けている気分だと小さな笑い声が腕の中から聞こえ、嫌なら顔を上げろと告げて半ば強引にリアムの両頬を両手で挟んで顔を上げさせる。
「……俯いていたら見えるものも見えなくなるぞ」
「……うん、そうだな」
「俺は偉そうなことを言える程の男じゃないが、お前が俯いたままなのは好きじゃない」
どうすれば上手く伝えられるか分からないしお前の気持ちが前を向いてくれるのか分からないが、お前はもう独りではないんだろうとこれもまたいつか告げられた言葉を返すように口にすると、ヘイゼルの双眸が見開かれたあと、うんという小さな声が聞こえ、肩に額をぶつけて寄り掛かってくる。
「ひとりとひとりの世界が重なってひとりじゃ無くなる、それも面白いとも言っていたな」
「……そんなことを言ってたかな」
「ああ」
やはりお前は自分が言ったことを忘れる王子様だなと慶一朗が肩を揺らし、ソファの下で大人しく丸まっていたデュークの名を呼ぶと、ピコピコと音がしそうな動きで飛び上がってソファに飛び乗ってくる。
「ユーリのことは何となく分かった。……手紙を忘れていった男には連絡を取って貰うんだろう?」
「……あ、ああ、うん、ヘンリーに頼んでおいた」
「じゃあ彼に確かめれば良い」
もう一度クリニックに来る可能性があるのならばそのチャンスを無駄にしないで疑問をぶつければ良いと、どうすることも出来ない過去ではなく、明日にでももしかすると解決できるかも知れない問題に向き合おうと、慶一朗自身は自覚していないだろうがリアムの腹の底に力と消えることの無い明かりを灯す。
その力が指先にまで辿り着くには少しの時間を要するが、慶一朗の背中に回されていた腕に力がこもったことに気付き、己の手で挟んでいた顔を見下ろすとまだ弱いがそれでも帰宅後を思えばいつものリアムに近付いたことを教える眼光の強さで見つめ返されたことに目を細める。
「ダンケ、ケイさん」
「ああ」
「明日もう一度確かめてみる」
それでもしも本当にその手紙の差出人がユーリだった時、また話を聞いてくれないか。
リアムの密やかな願いをしっかりと受け止めたことを教える代わりに額にキスをした慶一朗は、お前のように出来るかどうかは分からないが、話を聞くぐらいなら出来ると頷き、もう一度リアムを抱きしめるとさっきとは比べられない力強さで背中を抱きしめられて無意識に安堵の息を零してしまう。
「エッグノッグもありがとう」
ケイさんが作ってくれるものがやはり一番身体に染み渡ると笑うリアムの頬に頬を擦り寄せて髭の感触に自然と笑みを浮かべていた慶一朗の耳に感謝の言葉が流れ込み、王子様を笑顔に出来るものがあって良かったと戯けたように呟くと、さすがは陛下というこちらもふざけたような声が返ってくる。
そうしていつもと比べれば少ししんみりと抱き合っていた二人だったが、足下から不満の鳴き声が上がったことに気付いて同時にそちらへと顔を向けると、精一杯身体を伸ばして二人の足に両前足を載せて自分を忘れるなと言うように吠えるデュークに気付き、慶一朗が怒るなと笑いながらデュークの頭を撫でリアムが両手で子犬を抱き上げる。
「怒るな、デューク」
二人に慰められてはデュークもいつまでも怒りを訴える訳にはいかなかったのか、もう機嫌は直ったのかと問いかけるようにリアムの顎を舐め、振り返って慶一朗の手を舐める。
「お前のことを忘れたつもりはないからもう怒るな」
リアムの詫びのような言葉にデュークが応えるようにひとつ吠え、慶一朗がその頭を愛おしむように撫でてお前が前を向いてくれて良かったと安堵のため息を零す。
「……心配を掛けてしまったなぁ」
「ああ、そうだな」
このお詫びは何にして貰おうかと、後々己の身に降りかかる凶事を想像して身体を震わせるリアムを前に、誰がどう見ても悪いことを考えていると理解出来る顔で慶一朗が笑い、お手柔らかにと上目遣いでリアムが思わず呟いてしまう。
「チョコレートゲームじゃないけど、それも良いな」
「……えーと、ケイさん?」
「何だ?」
「……うん、いや、何でも無い」
どうか己の想像の中で最悪のものになりませんようにと胸の内でのみ祈りを捧げたリアムの頬を慶一朗が手の甲で撫で、どうだすっきりしたかと目を細めながら問いかけるとハニーブロンドがひとつ上下する。
「……良かった」
お前の様子がおかしい事には気付いていていつどうやって吐き出させようかと考えていたと教えられたリアムの目が見開かれるが、うん、ありがとうとの言葉と同時に漸くリアムらしい笑みが顔に浮かび、ああ、やはりお前にはその顔が似合うと小さな声で呟いた慶一朗は、リアムの手からこの顔を取り戻す切っ掛けを作ってくれた小さな公爵閣下を抱き取り、鼻の頭にキスをする。
「良くやったな」
良く分からないが慶一朗に褒められたこと、その顔に浮かぶ笑顔にデュークが歓喜の声を上げて尻尾をぶんぶんと振る。
「エッグノッグを飲んでシャワーを浴びて今日は早く寝よう」
ベッドの中でゴロゴロするのも悪くないと笑い、寝る前の儀式になりつつあるデュークをぎゅっとハグした慶一朗は、リアムにも同じようにハグをさせて子犬をケージ内のベッドに下ろすと、おやすみの挨拶なのかデュークが慶一朗の指先を舐める。
そして振り返るとソファから立ち上がったリアムに向けて両手を広げ、飛び込んでくる大型犬のような伴侶の背中を抱きしめてそのまま抱き上げられるのだった。
その夜、慶一朗の言葉通りにベッドの中でいつも以上に睡魔の訪れが遅いことに気付きながら、今日の出来事や月が変われば二人にとってのある種の一大イベントである慶一朗の誕生日の旅行先についての希望を、己の腹に腕を回していつもとは違ってしがみつくように抱きしめるリアムの背中を撫でながら告げては、大人しく頷くリアムの心が早く上を向いてくれるようにとだけ願い続けるのだった。
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