いつもはリオンが先にシャワーを浴びてベッドでごろごろしながらウーヴェを待っているのだが、今日はいつもとは逆だった。
あっという間に水を滴らせたままバスルームから出てくるだろうと苦笑し、ベッドヘッドに大きなクッションを凭せ掛けて背中を預けて雑誌を捲っていると、予想に違わずに水を滴らせたリオンがバスローブを羽織るだけの姿で出てくる。
「お待たせー」
「……別に待ってなどいないぞ?」
「あ、そーんな可愛くない事を言うんだ?」
髪も身体も適当に水気を取った事を示す様にまだ湿っていた為、せめてタオルドライだけでもさせろとクッションから背中を浮かせれば、見る見るうちにリオンの顔から表情が消えていく。
その様子に深く溜息を吐いてタオルドライを諦めたウーヴェは、肩に引っかかっているだけのバスローブを軽く引っ張ってベッドに座れと顎で示す。
「?」
「……良いから早く座れ」
目を丸くするリオンに苦笑を浮かべて促した後、言葉通りに腰掛けるのを見計らうとベッドから降り立ち、その足の間に身体を割り込ませてにやりと笑みを浮かべる。
「今日はオーヴェがするのか?」
見上げるウーヴェの顎のラインを掌で辿りながら低く問い掛ければ、少し舌を出したウーヴェが唇をゆっくりと舐めてその言葉を肯定する。
「イイぜ」
そのつもりならば存分にどうぞと目を細め、伸び上がるウーヴェにキスをして舌を絡める。
「…ん…、…っ」
きらりと光る糸を引きながら唇が離れ、躊躇いも見せずにリオンの下着の上からキスをしたウーヴェは、いつもされている事を脳裏に思い浮かべながら下着越しに舌と唇を使って愛撫していく。
「な、オーヴェ」
「…何だ…?」
今忙しいと言いたげな目で見上げられてにやりと笑みを浮かべたリオンだが、忙しい所悪いと謝りながら頬を撫でた手で髪を掻き上げてやり、白い髪に隠れそうになる顔が良く見えるようにしながらパンツ越しだとむず痒いと笑う。
「そうか?」
「あ、疑うなら後でパンツ穿いたまま突っ込んでやる」
「やめろ、バカ」
くすくすとにやりと笑みを浮かべ合いながらリオンの手は白くても艶のある髪を撫でて掻き上げ、ウーヴェは下着の上からでも分かる程形を得てきたものに目を細める。
何度も受け入れてきたものだが、これを迎え入れるのかと思うだけで背筋が震えそうになり、唾液で色が変わっている下着にキスをして上目遣いに見れば小さく息を呑む音が聞こえてくる。
「リオン」
尻を上げろと視線で告げればすかさず腰が持ち上がり、一気に下着を膝までずらすと行儀の悪い脚が持ち上がって自らそれを脱ぎ捨てる。
「────ん」
形を変えているものの先に一つキスをして包むように両手を添えた後、小さく出した舌で先を舐めれば気持ちよさそうな声が小さく零れ落ちる。
何かを堪えている吐息が零れる所ばかりを舐めると大きな手が髪を掴んで何かを強請った事に気付き、それを叶える為に大きく口を開いてゆっくりと口内に迎え入れる。
全てを口の中に入れるのは難しく、口内に広がる男の匂いに噎せ返りそうになるが、手を添えて顔を上下させれば頭を押さえていた手が髪を撫でる。
今夜は思うようにさせろと少しだけ非難を込めた目で見つめれば、太い笑みを浮かべた唇を舐めてリオンが見つめ返してくる。
「…お好きなように」
どうぞ好きなだけ味わってくれと目を細めたリオンだが、このまま目元を薄く染めた端正な顔を見下ろしているだけでは正直つまらないと気付き、絨毯に膝を着いて股間に顔を寄せるウーヴェに合図を送って不満を訴えるような顔に一つキスをし、ベッドに上がってこいと腕を引いた後、サイドテーブルからローションを出して掌に垂らす。
「どうした?」
「ん?ああ、オーヴェは気にしないでイイから、続きをしてろよ」
ほら、と笑み混じりに促し、今度はベッドの上に膝を着いて続きを始めたウーヴェを見下ろしつつローションを掌全体に伸ばした後、バスローブの裾を割ってまだ穿いたままの下着の中に差し入れる。
「────っん…っ!」
不意に訪れた衝撃に思わずウーヴェが顎を上げ、喉の奥を圧迫していたものが口から出てしまうが、リオンの手が頬を撫でた為にもう一度それを飲み込んで喉の奥へと迎え入れる。
まだ受け入れる準備すら出来ていなかったそこだが、ローションの滑りを借りて指を一本受け入れるとあっという間に次の指も受け入れてしまう。
自ら進んで口で愛撫しているウーヴェだったが、いずれこれを受け入れる場所で自由に動かされる指の動きに意識が引きずられてしまい、つい舌の動きを止めてしまう。
「オーヴェ」
止まってると笑われると同時に腰を突き上げられ、その衝撃を喉で受け止めて噎せ返る。
「…っ…ぅ…、んん…っ」
顔を動かさなくとも突き上げられて声が零れ、口内から出入りする度に口の端から糸を引いて唾液が零れ落ちる。
いつもはリオンに付き合っている感のあるウーヴェだが、こんな風に涎を垂らしながら口淫する姿など滅多に見る事はなかった。
その姿に自然と身体が震え、腹に熱が生まれて全身へと回っていく様を感じ取ったリオンは、どくんと脈打った瞬間に苦しそうな声が上がったことに目を細め、中に挿入したまま動きを止めていた指でぐるりと中を掻き回して白い肢体を跳ね上げさせる。
「────ァ…っ…!」
ウーヴェの身体が跳ねる場所はいくつかあるが、最も弱い場所を刺激した事に気付き、片手で白い髪を軽く掴んで顔を押しつけさせ、先程高い声が聞こえた場所を何度も指の腹で擦れば、バスローブに隠されている腰が軽く揺れ始める。
「ん…ン…っ、リ・・オン…っ」
「どうした?」
熱い吐息交じりに名を呼ばれてどうしたと返せば、分かっているだろうと言いたげにターコイズで見上げられて内心口笛を吹く。
白い端正な顔を仄かに赤く染め、悩ましげに眉を寄せる顔はリオンだけのもので、今日もそれを見られた事に目を細め、好きにさせてくれる筈だろうと非難されたことに気付いて苦笑する。
「ああ、好きにさせるって事か?」
無言でこっくりと頷かれて全く思っていない声でごめんと謝ったリオンは、ウーヴェが何かを言う前に差し入れていた指を曲げて中を擦り、四つん這いになった身体を踊らせる。
「リオン…っ!」
「そんな顔見せられたらガマンなんて出来ねえって」
好きなようにしても良いから俺も同じように好きにさせてくれと、思わずウーヴェが絶句するような事を囁いたリオンは、目尻のホクロを指の腹で撫でた後、入れていた指の数を一本増やす。
拳を握って快感を堪えるウーヴェの髪にキスをし、なぁと囁きかければ、握られた拳がゆっくりと開き、シーツを握りしめる。
「────イイか?」
こうして口で大きくしてくれるのは嬉しいし気持ち良い、次は自分が同じ事をしても良いかと問えば、快感に震える身体全体で肯定される。
「ダンケ」
礼を言いながら中に入れていた指を一気に抜き去り、ウーヴェの頭を仰け反らせた後、手早くバスローブを脱がしてベッドの下に投げ捨てれば、肩で息をしながらベッドに横臥する恋人の身体を跨ぐ様に手を付いて赤みが増した顔を覗き込む。
「オーヴェ」
頬と見えている目尻のホクロにもう一度キスをし、僅かに頭が上下した事で先に進む許しを得たリオンは、形を変えたものが押し上げている下着を一気に脱がせ、同じ事をする為に姿を見せたそれを口に含むのだった。
ベッドが軋む音とウーヴェが上げる荒い息が混ざり合い、リオンの熱を限界以上に煽っているが、それをさせている張本人は気付いているのかどうなのか、打ち付けられるものの熱さと太さにただ身体を揺さ振られ荒い息を吐き続け、中を穿つ熱がゆっくりと出て行ったかと思うと一気に戻るを繰り返し、その度に頭を仰け反らせてしまう。
シーツを握って快感を堪えていると、腰に回されていた手が腰を撫でて俯せになれと手の動きで教えられ、何とかそれに従うと同時、再び腰を掴まれて引き上げられる。
「────っぅ…っ!」
尻だけを高く突き上げた恰好にウーヴェが羞恥を感じるよりも早く、突き入れられて唇を噛みしめてしまうが、腰を打ち付けてくる強さからは想像も出来ない優しい手がそっと唇を撫でて指を突っ込んでくる。
「…は…っ、ハ、ァっ…ア…っ、アァ」
口を無理矢理開かされたことで零れる嬌声が気恥ずかしいとシーツを握りしめれば、それすらも愛していると言うようにうなじにキスが降ってくる。
どうあっても堪えられない、身体が敏感にならざるを得ない場所を擦られて額をシーツに押しつけて声を押し殺そうとするが、ゆっくりと刺激を与えてくる熱に快感を享受した腰がゆらゆらと揺れてしまう。
嬌態を意識する暇を与えずにリオンが何度もそこを刺激し続ければ、悲鳴じみた声が上がりだし、限界が近付いたことを知る。
いつもならばこの後すぐに快感の絶頂に押し上げてやるのだが、今夜の積極的とも言えるウーヴェの姿をいつまでも見ていたいと背中越しに囁き、すっかりと立ち上がって腹につきそうな角度を持っているものの根本を指で戒めるように握れば、短く息を呑むような音がシーツの上に弾ける。
「ぁ…っく…っ!リオ…ン、リ・・オ…っ!!」
「そんな声出してもダメだぜ、オーヴェ」
早くイカせてくれと懇願されるが、にべもなく拒否するとウーヴェの拳が白くなるほどシーツを握りしめる。
片手でウーヴェのものを戒め、片手を腰に宛がって引き寄せて突き上げれば、何とか肘で自重を支えていた肩が落ちてシーツに沈み込む。
言葉にならない音を途切れ途切れに吐き出し、快感をやり過ごそうとシーツを握るウーヴェの手に手を重ねたリオンは、肩越しに見つめられて息を呑む。
快感に染まったターコイズに見つめられてしまえば逆らう事など出来ない、そんな事を思わせる双眸に見つめられて唾を飲み込めば、ウーヴェの中を突き上げていたものが脈打って大きくなったように感じてしまう。
その思いは間違っていなかったようで、直後にウーヴェが頭を仰け反らせて高い声を挙げ、肩で荒い息を繰り返す。
譫言のように名を呼ばれ、だから駄目だと言っていると、少し切羽詰まったような声で返せば、泣いているように鼻を啜る音が聞こえてくる。
「リ…オン…、リーオ…っ…!」
頼むからもうイカせてくれと荒い息の合間に懇願され、苦笑して根本を戒めていた手を離して両手で腰を掴んで引き寄せる。
「────アっ…は…っ、ハっ、ハ…っんー…っ」
突き上げるリズムに合わせた声が上がり、ぐるりと中を掻き回せば長い吐息のような声がシーツに落ちていく。
そうして突き上げ掻き回しているうちに、解放したものの先からとろりと滴が垂れ始め、慌てることなく手を差し入れて掌でそれを受け止める。
「────ア…っ!!」
短く鋭い呼気が発せられた直後、ウーヴェの全身から力が抜けたようになり、リオンが腰を掴んでいる為にベッドに上半身だけが沈み込む。
「…後、ちょっとな、オーヴェ」
ぐったりとシーツに沈む恋人の白い背中に語りかけ、あと少しで自身も快楽の頂点に手が届く事をより激しく腰をぶつけることで伝えたリオンは、ぐったりしながらも全身で己を受け止め受け入れてくれるウーヴェに深い情だけを感じた直後、熱を吐き出してしまうのだった。
いつもより遅い時間だが、いつもと同じように二人分の朝食の用意を終えた彼は、腰の辺りに居座っている気怠さを何とか押し隠してベッドルームへと戻る。
窓際のダブルベッドでは平和そうに眠りこけている恋人がいて、今朝の全身の倦怠感を与えた男を一つ睨み、ベッドを軋ませて膝を着く。
「リオン、起きろ」
肩を揺らして名を呼んでみるが、どうやら恋人は夢園を卒園するつもりはないらしく、小気味良いほどの寝息が聞こえてくる。
「………」
いつもならば何とか起こそうと努力はするが、今朝は気怠さが勝っていた為、手伝いを頼もうとベッドルームを出てリビングへと向かう。
昨日掃除をしておいたリビングのカウチソファを定位置にしている黄金色のテディベアが小首を傾げる様に見つめてくる。
これを持ち帰ってきたリオンを見た時は呆気に取られてしまったが、やはりこの大きさは異様だとしか思えず、大きな図体のテディベアを抱き上げて何とかベッドルームへと再び戻ったウーヴェは、眠りこけているリオンの傍に再度膝を着いてそっと囁く。
「リオン、リーオ。そろそろ起きろ」
「……………」
見事な寝入りっぷりに感心しそうになるが、ふぅと溜息を吐いた後、昨日は過去に引きずられた心と身体を穏やかに鎮めてくれた救世主のようなテディベアの太い腕を掴む。
「リーオ、早く起きなきゃサンドを食べてしまうぞー?」
にやりと笑みを浮かべ、いつかとは逆にテディベアが口を利いた様にリオンに語りかけたウーヴェは、掴んだ腕を軽く振り上げた後、艶の良い頬目掛けて振り下ろす。
「!?」
「早く起きなきゃ僕が食べちゃうぞー」
くすくすと笑いながらテディベアの手を借りて頬を叩き続けるウーヴェの前、縫いぐるみの手でバシバシと顔を叩かれて目を覚ましたリオンが呆然としていた。
「は?え?…テディ…!?」
「モルゲン、リーオ。オーヴェがさっさと起きろバカタレって怒ってるぞ?」
きっと文字で表現できるのならば、キシャーと言いながら腕を振り上げているテディベアを想像させる声音で囁き、黄金色の毛並みに隠れていた顔をひょっこりと出せば、まるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔でこちらを見つめるリオンがいた。
「…起きたか、リオン?」
「オーヴェ!?」
何て起こし方をするんだ、DVで訴えてやる。
朝から元気よく吼えるリオンに、お前が訴える前に俺が訴えてやる、このセクハラ刑事と瞼を真っ平らにして言い放ち、さっさと起きろともう一発クマの手を借りて同じ毛色の頭をびしっと叩く。
「ぁだっ!!」
「モルゲン」
にやりと笑って朝の挨拶をしたウーヴェは、テディベアを横に座らせてリオンと正対する。
「…………」
「どうした?サンドは要らないのか?」
「いるけどさぁ…」
ガリガリと頭を掻きむしり、こんな起こし方は嫌だと吼えるリオンに瞬きをし、それは悪かったと謝罪をしたウーヴェを完全に拗ねた子供の顔でリオンが上目遣いで睨む。
「リオン」
「……何だよ」
「昨日……掃除をしている時、昔を思い出した」
テディベアの毛並みを確かめつつ伏し目がちに口を開けば、完全に拗ねていた筈のリオンの顔に真剣な色が浮かび上がる。
何を話そうとしているのかを察したのかそれとも無意識なのか、その切り替えの速さに舌を巻きながら苦笑し、横に座らせた金色の毛並みに手を差し入れて軽く握る。
「そっか」
「ああ………このテディが約束を守ってくれた」
「レオナルドはエライな。俺が見込んだだけのことはある」
「レオナルド?」
「そう。こいつ、レオナルドって言うんだ」
一人にしないという言葉を忠実に守ってくれたと感謝の思いで告げれば抱き寄せられ、去年のクリスマスプレゼントとして贈ったがちゃんと務めを果たしてくれているご褒美に名前を付けたと小さく笑う。
「メガネが当たって痛い」
「ごめん。ちょっとだけガマンしてくれ」
苦痛を訴えるウーヴェに謝罪をし、白とも銀ともつかない髪に口を寄せてそうかと安堵の吐息交じりに囁けば、腕の中で頭が上下に揺れる。
「いつもは…もっと酷くて、立ち直るのに時間も掛かる。でも昨日は違った」
お前も知っているように過去に引きずられた時は現実に戻るのに気力も体力も必要とするが、昨日は僅かの時間で戻って来れたと目を伏せれば、再び口を寄せてそうかと囁かれる。
「────リーオ…」
「うん」
「ダンケ。リーオ…愛してる」
昨日のような口論をこれからもするだろうし、もしかするとまた知らず知らずのうちにお前を傷付ける事があるかも知れないが、どうかと言葉を句切ると同時、メガネが奪われて顎を上げさせられる。
「オーヴェ」
最後まで言わなくても伝わった気持ちに目を細め、愛しているともう一度囁いた唇をリオンがそっと塞ぐ。
「信じてるって言っただろう?俺たちなら大丈夫だ」
口論もするしケンカもするだろうけど繋いだ手は離さないと、悪戯小僧のようでありながらも誰よりも頼れる男の顔で笑うリオンに小さく頷き、確かにそうだとその身体にもたれ掛かる。
「いっぱいケンカしてさ、もっともっと知っていこう」
「ああ」
「でも、八つ当たりはするなよ?」
オーヴェの八つ当たりはどちらかと言えば八つ刺しだと肩を竦められ、新しい言葉を作るなとリオンの唇を摘んだウーヴェは、そんな言葉で全てを受け止めながらまた二人で手を繋いで歩いていこうと笑ってくれるリオンの存在が言葉に出来ないほどの大きさになってしまった事を今更ながらに実感して笑みを浮かべる。
「オーヴェ?」
「サンドを食べるのだろう?早くしなければレオナルドに食べられるぞ?」
「それはイヤだ!な、今日は何をするんだ?」
今日は二人揃っての休日、何をしようとベッドから降り立ちながら問い掛けられ、何をしようかとその腰に腕を回したウーヴェは、伝わってくる温もりよりも気配に驚いて間近にある顔を見上げて絶句する。
「……その脂下がった顔をどうにかしろ」
「ひでえ!こんなに男前なのに!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐリオンにうるさいと意思表示をする為に耳を塞ぐが、リオンの腰に回した腕はそのままだった。
昨日の口論から僅かながらも何かが変化した事に気付いたリオンは、その発見を胸の中だけに納め、今日はチーズとチーズとチーズが良いと告げ、チーズ人間になってしまえと言い放たれてしまう。
「チーズ人間なんているかよっ」
「新人類誕生だな。良かったな、リオン」
チーズ人間のパイオニアになれたな。
キッチンに向かいながら賑やかに言い合うが、互いの腰に回した腕はそのままどころか今まで以上にしっかりと回されていて、昨日の口論が二人の絆をより深めたようだった。
開けっ放しにされたままのベッドルームのドアの向こうでは、微かに聞こえてくる二人の楽しげな遣り取りを、つい先程レオナルドという名前を貰ったテディベアが嬉しそうな表情でベッドの上で聞いているのだった。
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2010/05/25


