Clap97

Über das glückliche Leben(ÜGL)-Lion & Uwe -

  真夏一歩手前の太陽をベランダに置いたソファから睨みつけたのは、暑い暑いと大自然に対して文句を垂れていたリオンだったが、その横では珍しくウーヴェも暑いなと不満をこぼしていた。
  「なー、暑いよなぁ、オーヴェ」
  「そうだな・・・雨でも降るのかな」
  なんだか湿度が上がった気がすると、シャツの襟元を指先で広げながらため息をつくウーヴェに顔だけではなく身体ごと振り向いたリオンは、白い首筋に流れ落ちる汗とプラチナのネックレスの先で太陽を反射して光る元は己の物だった結婚指輪を見つめ、テーブルに頬づえをついて提案をしてみる。
  「なー、オーヴェ、質問」
  「なんだ?」
  「パフェとかサンデーとかってさ、家でも作れるのか?」
  「スイーツの?」
  「そうそう」
  頬づえをつくリオンに顔を寄せて同じく頬づえをついたウーヴェは、どうだろうか、バニラアイスにフルーツやチョコソースを掛けたりフルーツを飾ればいいんじゃ無いのかと、流石に己でも知らないことがあると肩を竦めれば、少しだけ残念そうな顔でリオンが盛大なため息をこぼす。
  その顔が、あまりにも残念そうだったからと、あとで言い訳をするハメに陥るのだが、そんな顔をさせたく無いという本音がウーヴェの胸に芽生え、室内においたままのスマホをとって来てくれとリオンの頬にキスをしてお願いをすると、小首を傾げながらもリオンが立ち上がって室内に戻って行く。
  「・・・はい、オーヴェ」
  「ああ、ありがとう」
  差し出されるスマホをキスと言葉とともに受け取り、幼馴染に電話をかけたウーヴェは、休みなんだから休ませろと、休日のサラリーマンの代表的なセリフに鼻息ひとつで返事をする。
  そんな横柄な態度をウーヴェが取る相手は限られていて、珍しい様子をリオンが再度ソファに座って眺めていると、バニラアイスが、チョコソースが、フルーツがと言った、聞いているだけで思わず心が浮き足立つような単語が聞こえ、ラム酒も有りかと嬉しそうに呟かれてテーブルに突っ伏してしまう。
  「・・・どうした、リーオ?」
  「・・・なぁんでもねぇよ」
  ラム酒の一言で嬉しさが吹っ飛んだと、少しだけ拗ねた顔でウーヴェを上目遣いに見つめたリオンは、顔に影がかかった直後に唇に小さな音を立ててキスが降って来たことに気付き、不機嫌さを吹き飛ばす。
  「な、オーヴェ、サンデー食えるのか?」
  「ああ、バートに作り方を聞いた」
  バニラアイスもチョコレートもある、トッピングのナッツもあると笑うウーヴェに勢いよく頭を上げたリオンだったが、破顔一笑してウーヴェの呼吸を一拍だけ止めさせる。
  「ダンケオーヴェ愛してる!」
  「・・・チョコソースを作るのに少しだけ手間が掛かるが、手伝ってくれるな?」
  もちろん!うまいものを食うのに手伝わないガキの頃の俺と一緒にするなと、自慢できるのかできないのか微妙なことを宣言したリオンに手を差し出したウーヴェは、立ち上がりたいから手を貸してくれと目を細めることで伝えると、リオンがその思いを完全に把握して恭しい手つきでウーヴェをソファから立ち上がらせる。
  「・・・なー、ラム酒入れても良いけどさー、控え目にしてくれるか、ダーリン?」
  「そうだな・・・酒よりもチョコがうまいって教えてくれたら考えても良いな」
  ウーヴェの腕を掴んで己の腰に回させ、自宅ではほぼステッキを使わないでも移動できるように壁に設置した手摺を使わずにゆっくりとウーヴェに合わせて歩くリオンが歌うようにお願いをするが、キッチンに入ると同時にキャスター付きのスツールに腰を下ろし、サンデーに必要な材料を出すようにリオンに命じる。
  「・・・オーヴェ、はい」
  「?」
  冷蔵庫や冷凍庫を覗き込んでは材料を作業台に乱雑に置いていくリオンの行動を気にする事なくレシピの確認をしていたウーヴェは、不意に呼びかけられて声の方へとスツールを回転させると、鼻先が触れ合うほどの場所にリオンの顔があり、とっさに上体を仰け反らせてしまう。
  「っ!」
  「はい、アーン」
  口を開けと言葉で促されて意味が分からずに口を少しだけ開けると、嬉しそうにキスをされるだけではなく、何かが舌の上に押し込まれてメガネの下で目を丸くする。
  「リオン!?」
  「・・・・・・俺の最近のオススメ」
  ストロベリーヨーグルト味のチョコはどうだと笑われてもすぐさま返事などできなかったが、想像していたよりも甘さが気に入ってしまい、口の中で溶けるチョコに名残惜しさを感じてしまう。
  「・・・・・・意外と美味しいな」
  「そっか」
  「ああ」
  気に入ったからもう一口くれと、リオンの尻尾と称する一纏めにした髪に手を添えて顔を引き寄せると、すかさずリオンが己の口に一口サイズのチョコを放り込む。
   チョコの味がするキスを繰り返した後、どちらも満足した顔で離れ、額と額を重ねてクスクスと笑い出す。
   「チョコうまかった?」
   「ああ。・・・・・・癖になりそうだな」
   ただ、チョコだけを食べるのではなく、お前のキスがあればこそだと、リオンの耳朶を指先で挟みながら囁いたウーヴェは、ダーリンのエッチと笑う永遠の伴侶の頬にキスをし、お前ほどじゃないと囁きかける。
   「・・・・・・サンデー作ろうぜ」
  「そうだな」
  そして作ったものを一緒に食べようかと笑うウーヴェにリオンも満足そうに頷き、そのあとは指示された通りに材料を混ぜたり器に盛り付けたりと、休日の午後の暑さを少しでも和らげるために共同作業に取り掛かるのだった。


2020.08.09
うむ。甘々ですな(爆)


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