Clap95

-Lion & Uwe-

  チュ、と小さな音とともに濡れた感触が首筋に生まれ、意識外の出来事に肩がびくりと揺れる。
  手にした万年筆を思わず落としてしまったウーヴェが振り返った先、いたずらが成功した子供の顔で腰に手を当ててニヤリと笑うリオンがいて。
  「────イタズラをするのは誰だ?」
   メガネのブリッジに指を軽く引っ掛けて上目遣いに子供じみた顔を見上げると、半ば予想していたように、リオンの顔が赤くなる。
  「・・・まだ仕事の書類書き終わらねぇの、ダーリン?」
  顔を赤らめつつ腰に当てていた手を伸ばしてウーヴェの顎の下で交差させてくるリオンに一つ肩を竦め、邪魔をしなければすぐに終わるのにとチクリと皮肉を込めると腕が離れて行こうとする。
  それを引き止めるように両手をやんわりと腕に絡めると、自分も休憩したいくせにーと、本心を隠したような軽口が聞こえてきた為、椅子の上で体を捻り、期待に細められるロイヤルブルーの双眸に口付けるように伸び上がる。
  「────仕事があと少し残っている、それが終わればデートしないか、俺の太陽?」
  その誘いの言葉に息を飲む音が間近で聞こえたのに気分を良くしたウーヴェは、久しぶりに廊下側の風呂に一緒に入るか、お前の部屋のどちらが良いと重ねて問いかけ、一緒に風呂に入ってお部屋デートをすると返される。
  「・・・じゃあデートの待ち合わせまで少し待っていてくれ」
  「・・・ツマンネェの」
  「そうか?俺は楽しみができたけどな」
  結局今すぐ相手をしてくれる訳じゃないと気付いたリオンが文字通り子供の顔で鼻息荒く言い放つが、眼鏡を外して綺麗な笑顔を浮かべたウーヴェがそんな不満に軽く膨らむ頬を手の甲でつるりと撫でる。
  「待ち合わせている時間もデートのうちだろう?」
  「・・・イヤん、ダーリン、オトコマエ」
  使う人を選ぶような言葉をさらりと言い放ち、良い子だから待っていてくれとキスとともに伝えたウーヴェにリオンが顔を赤らめてオトコマエと呟くが、確かに待っている間もデートのうちだと付き合っていた頃を思い出したのか、白とも銀ともつかない髪にそっと口付ける。
  「待ち合わせは今から1時間後!10分遅刻するたびにキス一つ!」
  いつだったか似たような約束を交わしたことを二人同時に思い浮かべながら、約束だからなと笑うリオンにウーヴェも遅れても実害は何もないと思いつつも、遅れないようにすると告げ、眼鏡を再度掛けて気持ちを仕事へと切り替えるのだった。

 

  その後、待ち合わせの時間に18分遅れたウーヴェは、四捨五入プラス余分に待たせた俺へのお詫びをしろと命じてキスを3回−だけでは済まなかったが−させられてしまう。
  ただ、想像していたように、1回が3回になろうが10回になろうが2人にとって物心が痛むような実害など全くない為−せいぜい唇が荒れるぐらいだ−、その後、約束通りに廊下側のバスタブに湯を張って子供のように騒ぎながらシャワーをし、バスローブを羽織っただけの姿でリオンの部屋に転がり込む。
 さっきまでの子供じみた顔など想像も出来ない、互いの中の男を煽る、噛みつくようなキスをベッドの上でも繰り返し、互いの背中に煽られた痕を残し合うのだった。

 


2020.06.12
Webclapお礼として公開していました。すっかりリオンがガキンチョ化してる(゚ロ゚; 三 ;゚ロ゚)


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